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フルハーネス型墜落制止用器具とランヤードの選び方

2026.8.6

はじめに

高所での作業には、墜落による事故を防ぐための「墜落制止用器具」が欠かせません。
2019年2月の法改正により、高さ6.75mを超える箇所での作業では原則としてフルハーネス型の使用が義務付けられ、2022年1月には旧規格品の使用も全面禁止となりました。
あわせて使用するランヤード(命綱)選びも安全性を左右する重要なポイントです。
今回は、フルハーネスとランヤードを選ぶ際に押さえておきたいポイントをご紹介します。

フルハーネスを選ぶときのポイント
Air水平フルハーネスワンタッチ 130kg アルミ
形状で選ぶ

フルハーネスは、肩から腿にかけてのベルトの通し方によって、主に次のような形状に分かれます。

X型
背中でベルトが交差する形状。
着脱がしやすく、左右どちらの向きでも使用できるため汎用性が高いのが特徴です。
Y型
肩から見るとベルトがY字に分かれる形状。
腰周りの自由度が高く、腰袋や工具を多く装着したい方に向いています。
落下時の衝撃が分散されやすい一方、着脱にはやや手間がかかる場合があります。
H型
サスペンダーのように肩から吊るす形状で、Y型の原型ともいわれます。
着崩れしにくく、安定感に優れています。

また、太腿を通すベルト部分にも「水平型」と「V字型」があります。
水平型は締め付け感が少なく動きやすい一方、宙づりになった際にベルトがずり上がりやすいという弱点があります。
V字型は骨盤を包み込むように支える構造で、ずり上がりにくく、体への負担が分散されやすいことから、近年主流になりつつあります。

その他の選定ポイント
  • 対応できる最大重量が体重区分に合っているか(一般的に「85kg以下用」「85kg超100kg以下用」の2区分があり、装備品を含めた体重で選ぶ。100kgを超える場合は特注品が必要)
  • 体格に合ったサイズ・ベルト調整幅であるか
  • バックルの着脱方式(軽量なスライド式・ワンタッチ式など)の使いやすさ
  • 長時間の使用でも負担になりにくい重量・フィット感
※注意:高さ2m以上の箇所で作業床を設けることが困難な場所においてフルハーネス型墜落制止用器具を用いて作業を行う場合は、「フルハーネス型墜落制止用器具を用いて行う作業に係る特別教育」の受講が必要です。
ランヤードを選ぶときのポイント
ExAir巻取式ランヤード100kgダブル
本数で選ぶ
1丁掛け
ランヤードが1本のタイプ。
軽量で、体にかかる負担が少なくコストも抑えやすい反面、フックの掛け替え中は一時的に接続が途切れます。
2丁掛け(ツインランヤード)
ランヤードが2本あるタイプ。
片方を掛けたままもう片方を掛け替えられるため、常に接続された状態を保てます。
移動や姿勢変化が多い高所作業に適しています。
構造・機能で選ぶ
巻き取り式
リールに命綱が巻き取られており、必要な長さだけ引き出して使用します。
フックを外すと自動で巻き戻るため、たるみによる足元への引っかかりを抑えられます。
伸縮式
未使用時はコンパクトに縮み、使用時に必要な長さまで伸びるタイプ。
移動時に邪魔になりにくいのが特徴です。
ロープ式
三つ打ちロープなどを使った昔からある形状で、ショックアブソーバと組み合わせて使用します。
その他の選定ポイント
  • ショックアブソーバの種類:フックを腰より高い位置に掛ける場合は「第一種」(自由落下1.8m、衝撃荷重4.0kN以下)、腰より低い位置(足元など)に掛ける可能性がある場合は「第二種」(自由落下4.0m、衝撃荷重6.0kN以下)を選ぶ
  • 対応荷重が使用者の体重・装備込みの重量に見合っているか
  • ロック機構付きかどうか(掛け替え時の安全性に関わります)
  • フック部分の強度・片手でも掛け外ししやすいか
※ポイント:基本的には第一種を使用し、腰より高い位置にフックを掛けられない場合のみ第二種を使用するのが推奨されています。
また、ランヤードはメーカーや使用頻度によって異なるものの、使用開始から2年程度を目安に交換を検討するとされています。
詳しくは各製品の取扱説明書をご確認ください。
セットで揃えると安心な理由

フルハーネスとランヤードは、それぞれ単体で選ぶと規格や対応荷重の組み合わせに迷いやすいアイテムです。
あらかじめ組み合わせが確認されたセットであれば、悩むことなく必要な装備を一度に揃えられます。

新入社員・実習生の装備準備にも

新しく現場に配属される新入社員や実習生の装備を用意する際、フルハーネス・ランヤードから工具・小物まで一つひとつ選定して揃えるのは、担当者にとって思いのほか手間と時間がかかるものです。
セットであれば現場で必要な基本装備がひとまとめになっているため、選定の手間を省き、まとめて短時間で準備することができます。

Jマートで取り扱い開始「フルハーネスおすすめセット」

足場専門通販Jマートでは、フルハーネス・ランヤードに加え、現場で使う工具・小物までまとめた「フルハーネスおすすめセット」の取り扱いを開始しました。
サイズはL/Mからお選びいただけます。

  • スタンダード:ワンタッチ式バックル採用のフルハーネス(対応荷重130kg)と巻き取り式ランヤード(対応荷重100kg)を中心にした基本セット
  • プロ:Y字型フルハーネスに、ロック機構付きランヤード2本、アルミ製胴ベルトを組み合わせた上位モデルセット
単品でお探しの方へ

すでにお使いの装備の一部だけを買い替えたい方や、体格・用途に合わせて自分で組み合わせを選びたい方向けに、フルハーネス・ランヤードは単品でも豊富に取り揃えています。

まとめ

フルハーネスとランヤードは、現場の安全を支える重要な装備です。
サイズやロック機構など基本のポイントを押さえたうえで、セットで揃えて手間なく必要な装備を整えるのもひとつの方法です。
ぜひ買い替え・新規導入の際の参考にしてください。